漫画「幽閉令嬢の精霊婚~大樹の精霊に溺愛されています」をネタバレ解説
かつて、この国には神聖な大樹があった。 フィカス・フィラ 。
それは精霊たちの住処であり、触れることすら許されぬ神聖な領域。
伯爵家の養女、アルメリア は、その大樹の近くで生まれた。
だが、彼女の人生は生まれながらにして決まっていた。
「この子は呪われている」
幼い頃、まだ何も知らなかった彼女は、ふと森へと迷い込んだ。
そこは、誰も立ち入ることのできない フィカス・フィラの聖域 。
アルメリアはただ、その美しさに魅せられ、無邪気に手を伸ばしただけだった。
──それが すべての始まり だった。
「聖域を穢した」と非難され、伯爵家の人間から 忌まわしい存在 として扱われるようになったアルメリア。
家族は彼女を養女として迎えたはずなのに、今では 屋敷の片隅の小さな部屋に閉じ込め、幽閉する ようになった。
父は冷たく、母は存在を無視し、義兄たちは 「出来損ない」 と嘲笑う。
屋敷の使用人でさえ、彼女を 不吉な存在 として蔑んだ。
どこにも居場所がなかった。
──それでも、アルメリアは耐えていた。
いつか、誰かが助けてくれるのではないかと。
いつか、自分も普通の家族の一員として迎え入れられる日がくるのではないかと。
そんな期待は、とうに砕かれていたけれど。
◇◇◇
そしてある日、運命が大きく動き出す。
「アルメリア。お前は、この家に不要だ」
父の一言が、すべてを決めた。
幽閉されるだけではなく、ついに 処分 される日が来たのだ。
──アルメリアは 森へと捨てられた。
草木が生い茂る深い森。
行き先も分からず、ただ、暗闇の中をさまよい歩く。
もう、行く当てもない。
伯爵家に戻ることもできず、誰も助けてくれる者はいない。
飢えと疲労で膝をついたとき、ふと 風が吹いた。
──さらさら。さらさら。
葉擦れの音とともに、 彼が現れた。
「ようやく見つけた……愛しい娘よ」
淡い金色の光が舞い、大樹のそばに立つ 美しい男 。
空の色を閉じ込めたような、澄んだ青い瞳。
風が彼の髪をなびかせ、神秘的な光に包まれている。
アルメリアは思わず息を呑んだ。
──これは、夢?
彼は静かに手を伸ばし、そっとアルメリアの頬を撫でた。
その指先は、信じられないほど 温かかった。
「私は、フィカス・フィラの 大精霊 。お前をずっと見守っていた」
大精霊……?
「なぜ……?」
「お前は、私の 唯一の伴侶 だからだ」
その瞬間、アルメリアの世界は変わった。
◇◇◇
──幽閉され、愛されることを知らなかった少女が、
精霊の溺愛を受け、 幸福へと導かれる物語が今、始まる。
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