漫画「金髪の姫将軍は元敵国の好敵手に嫁ぐ」をネタバレ解説
アルデーリア王国の第一王女、レオーネ・アルデーリアは、戦場において「金獅子」と恐れられる名将だった。
金色の髪をなびかせ、剣を振るい、幾度も敵国の軍を討ち破ってきた彼女の名は、広く知られている。
そんな彼女に突然、政略結婚の話が持ち上がった。
相手は、滅亡の危機に瀕したゼルジオス王国の将、ベルトルド・フォン・ゼルジオス――戦場で幾度となく刃を交えた宿敵。
「ゼルジオスはもはや限界だ。我が国の庇護を受けるには、確かな絆が必要だろう」
王の言葉に、レオーネは眉をひそめた。
ゼルジオスは、国王が急逝したことで内部の混乱が広がり、外敵からの侵略を受けていた。
強大な魔法の力を誇る国ではあるものの、その力を生かせぬまま、衰退の一途をたどっている。
そこで、アルデーリアの支援を得るために、王女との婚姻という手段を取ることになったのだ。
アルデーリアにとっても、ゼルジオスとの関係を良好に保つことには大きな利がある。
そのため、レオーネには選択の余地がなかった。
「……王族としての務め、果たしましょう」
己に言い聞かせるように告げた彼女の心は、しかし、ざわめいていた。
つい先日まで、命を奪い合っていた相手の元へ嫁ぐなど、到底受け入れがたい。
ベルトルドはレオーネを恨んでいるかもしれないし、そもそも自分が妻として扱われるのかもわからない。
それでも、国のために――戦場で鍛えた覚悟を持ち、彼女はゼルジオスへと向かうのだった。
――そして迎えた婚礼の日。
ベルトルドは寡黙な男だった。
高身長で鍛え抜かれた体、静かにこちらを見つめる冷たい瞳。
かつて剣を交えたときと同じ、威圧感のある存在。
レオーネは、彼が自分を疎んじているはずだと思っていた。
だが、予想に反し、彼は静かに言葉を紡ぐ。
「貴女が私の妻となることを、光栄に思う」
――何?
思わずレオーネは動揺した。
光栄に、思う?
彼は、自分との結婚を嫌がっていないのか?
いや、それどころか、どこか穏やかな表情さえ浮かべているように見える。
(……こいつ、一体何を考えているのだ?)
疑念と驚きが入り混じるなか、レオーネはこの結婚の行く末を見据えた。
これは、単なる政略結婚。
――そのはずだった。
だが、この結婚が二人の運命を大きく変えていくことになるとは、まだ誰も知らなかったのだ。
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