隣の元カレくん ネタバレ!あらすじや結末予想も!

漫画「隣の元カレくん」をネタバレ解説

冬の気配が近づく北海道・室蘭。

40歳の黒木愛理は、静かなアパートの一室でひとり暮らしを続けていた。仕事に追われる毎日、結婚に失敗した過去、そしてふとした瞬間に訪れる孤独。大きな不満があるわけではない。けれど、心の奥には「何かを置き忘れてきた」ような空白がいつも残っていた。

ある日、隣の部屋に新しい住人が引っ越してくる。廊下ですれ違った瞬間、愛理の胸は凍りついた。そこに立っていたのは、高校時代に付き合っていた“元カレ”――稲葉。

20年以上の月日を隔てた再会。互いに驚き、ぎこちなく挨拶を交わす二人。愛理は「ただの偶然」と言い聞かせようとするが、隣から聞こえる足音や生活の気配に、心は次第にざわめき出す。稲葉は当時と変わらぬ誠実な眼差しを向け、彼女の胸に封じ込めていた記憶を鮮やかに蘇らせていく。

高校時代――二人は確かに惹かれ合っていた。だが、若さゆえの未熟さや環境の違いに押し流され、気持ちを残したまま別れてしまった。愛理にとって、それは「心の奥でずっと疼く初恋の傷」だった。

そして今。大人になった二人は、仕事、家庭、そして人生の重さを抱えて再び向き合う。若い頃のように無鉄砲には進めない。もし失敗すれば、これまで築いてきた生活さえ壊してしまうかもしれない。愛理は「大人だからこそ怖い」現実に足を止める。けれど、その一方で、彼と再び隣り合わせで暮らす日々は、心を静かに温め、忘れていた胸の高鳴りを呼び覚ましていった。

稲葉もまた、彼女を想い続けていた。別れてからの年月、彼女以上の人に出会ったのか、出会わなかったのか。真実は胸の奥にしまったまま、ただ一つ変わらないのは「愛理を大切に思う気持ち」だった。彼の一途な眼差しは、彼女の心をもう一度溶かしていく。

けれど二人の道は簡単ではない。過去の失敗、未来への不安。40代という年齢が、彼らの背中を押すと同時に、足を縛ってもいた。

それでも、愛理は気づく。

「もう若くはない。でも、だからこそ――本当の恋を、今から始めてもいいのかもしれない。」

隣同士のドア一枚。その距離を越えられるかどうかは、二人の勇気次第。

20年前に終わったはずの恋が、再び息を吹き返す。

これは、“忘れられなかった初恋”が、“大人の純愛”へと姿を変える物語――。

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