漫画「忠犬ボディーガードが偽物令嬢の嘘と身体を暴くまで」をネタバレ解説
目を開けた瞬間、彼女は“別人”になっていた。
平凡なOLだったはずの自分が、目覚めれば豪奢なドレスに身を包み、貴族令嬢として社交界の渦中にいる――そんな、まさかの乙女ゲーム世界への転生。
しかもよりによって、自分の役回りは“悪役令嬢”。
ゲーム本編では、嫉妬と傲慢さが仇となって、最終的には破滅…もしくは死亡という最悪の結末を迎えるポジションだった。
「そんなの、冗談じゃないわ…!」
ゲームの知識を活かし、死のルートを避けるべく行動を始めた彼女。
だがこの世界には、ひとつの大きな壁がある――“立場”だ。
どれほど人格を改め、優しく振る舞おうと、貴族社会の中では立ち位置がものを言う。
敵も味方もすぐには変わらない。
ならば、自分の命を守れる確実な存在を手に入れるしかない。
そして彼女が選んだのは――
屈強で無表情な忠義の男、専属ボディーガード・鷹臣だった。
彼は完璧なプロフェッショナル。
主を守るためには命も惜しまないと噂される男。
この男さえ味方にできれば、自分の運命は変えられる。そう確信し、彼女は“令嬢らしい優雅さ”と“知識”と“甘え”を駆使して、徐々に距離を縮めていく。
けれど――。
「お嬢様。……あなたは、いったい何者ですか?」
鷹臣は鋭かった。
ただの主従関係ではない、違和感に満ちた彼女の言動に、密かに疑念を抱いていた。
そしてついに、彼女の“嘘”に気づいてしまう。
本物の令嬢ではないこと。
この世界の住人ではないこと。
何もかもが作り物であることを、彼は冷静に、そして静かに暴いてゆく。
しかし、それでも彼は彼女を拒絶しなかった。
むしろ――より深く、彼女に手を伸ばす。
「その正体ごと、俺のものにさせていただきます」
鷹臣の忠誠心は、いつしか所有欲に変わり、彼女の“本当”に触れようと執着し始める。
冷たい視線の奥に隠された熱は、彼女を逃がすつもりなどなかった。
彼女もまた、鷹臣の冷酷さの裏にある孤独と真剣な想いに、心を揺さぶられていく。
――嘘を重ねて近づいたはずが、気づけば本物の想いに縛られていた。
過去も立場も違う二人。
互いの正体を知った今、もはや偽ることはできない。
だが、それでも守りたいと願う。
この世界の中で、もう一度、生き直したいと願う。
運命を書き換えようとする“偽物令嬢”と、すべてを暴いた“忠犬”のような男の、危険で切ない主従ラブロマンス。
その嘘が暴かれるとき――真実の愛が始まる。
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