漫画「モブ推しJKの悪役令嬢異世界転生 ~悲惨~」をネタバレ解説
かつて、乙女ゲームにドハマりしていた一人の女子高生がいた。
推しは田舎のモブキャラ・マーチン。攻略対象ですらない、ただの癒し系農民だ。
友人が夢中になっていたのは、完璧すぎる第一王子・メイザーだったが、彼女だけは冷めた目で見ていた。
「いや、完璧すぎる男って逆に信用ならないじゃん…。」
そんな彼女の人生は、ある日あっけなく幕を閉じる。
目を覚ますと、そこは見覚えのあるゲームの世界。しかも転生したのは、ゲーム内でヒロインをいじめる悪役令嬢・リリー。
顔よし、スタイルよし、家柄よしの侯爵令嬢だが、性格は最悪。
けれど中身はもう、悪役令嬢どころかただのオタク女子高生。
「ちょっと待って…これって詰みゲーでは?」
だが彼女は決意する。
「悪役ルート?ごめん、それよりマーチンに会いに行かせて!」
リリーは毎週のように田舎へ帰り、マーチンと畑仕事に精を出す日々を送る。
推しに貢ぐため、時には露出度高めのドレスで挑発し、マーチンを赤面させてはニヤニヤする。
おまけに、メイザー王子とヒロインのアリスをくっつけるためにイベントを発生させ、裏方に徹するという徹底ぶり。
学園では「リリー様、最近丸くなられた…?」と男子たちがざわめき始める。
あの冷酷な悪役令嬢が、笑顔で花を愛で、平民とも分け隔てなく接し、
そして弟のザイン王子にすら「まぁまぁ」と大人の余裕を見せる――。
だが、問題はそのザイン王子だ。
リリーを憎んでいる…と思いきや、本当は昔から彼女が大好き。
素直になれないザインは、つい冷たく接してしまうが、陰でため息をつき、頬を赤くしているのだった。
物語は加速する。
アリスとメイザー王子の恋は順調に進み、婚約破棄の時が近づく。
リリーはその日を心待ちにし、田舎スローライフ&マーチンとのハピエンに胸を膨らませる。
けれど、彼女の予想にないのは、ザイン王子の暴走と、学園男子たちの“リリー様推し”化であった。
果たしてリリーは無事に推し活ハッピーエンドを迎えられるのか――
それとも、この世界が用意する新たなルートに巻き込まれてしまうのか。
運命の歯車は、田舎の畑と王城の宴会場、両方でゆっくりと回り始めていた。
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