漫画「お世話になります! お腹いっぱい、もだあま生活」をネタバレ解説
栞は、実家で家事手伝いをしている普通の女性だ。姉が進めていた縁談は、資金援助の目的もあってあっけなく破談となり、そこで栞が代わりにお見合いをすることになった相手は、大企業の副社長、鳳宏一。
初対面の宏一は、予想通りの完璧なエリートで、栞は自分がそのような人物と結婚できるわけがないと感じた。自分には家事以外何の取り柄もないし、そんな自分が副社長の妻になるなんて到底無理だと思っていた。だから、最初はお見合いも心の中で断るつもりだった。
だが、実際に顔を合わせてみると、宏一は思いのほか家庭的な一面がなかった。完璧な仕事人間だが、家事はまったくできない。栞が家事をやっているうちに、宏一は感謝しつつも、次第に「家事を手伝ってほしい」という気持ちが強くなった。
「だったら、俺の家でハウスキーパーをしてほしい」
突然の提案に栞は驚きながらも、迷わずその仕事を引き受けることに決めた。彼の家で働き始めると、最初はただの雇われの身だったが、栞は毎日掃除をしたり、料理を作ったりして、少しずつ宏一と接する時間が増えていった。
宏一は仕事が終わると、栞が作った料理を美味しそうに食べ、疲れを癒すようにリラックスしていった。その姿を見るうちに、栞もだんだんと彼に惹かれていく自分を感じるようになっていた。
ある晩、栞はいつものように宏一の手料理を作り、食事が終わると宏一は満足そうに眠りについた。しかし、ふと目を覚ました栞は、自分が何かに包まれていることに気づいた。目を向けると、宏一が無意識に栞を抱き枕のようにして寝ていたのだ。
その瞬間、栞は心臓がドキドキと早く打つのを感じた。慌てて体を引こうとしたが、宏一は目を覚まさない。栞はそのまま、彼の腕の中にいた。しかし、彼のぬくもりが不思議と心地よく、完全に身動きが取れなくなった。
栞の心は、甘い気持ちでいっぱいになった。彼に抱きしめられている感覚が、これまでのどんな出来事よりも不思議と幸せで、でもちょっとドキドキした。
その夜をきっかけに、二人の関係は急激に変わり始める。栞は戸惑いながらも、宏一が本当に自分に好意を抱いていることに気づき、宏一もまた、栞に対してただの雇い主と従業員以上の感情を抱くようになっていた。
お互いの気持ちは、少しずつ確かめ合いながら進んでいく。栞は、どんどん宏一に惹かれ、彼の優しさや一生懸命さに胸を打たれる日々が続く。宏一も、栞の料理や世話を受けるたびに、彼女の存在が自分にとってどれほど大きな意味を持つのかを痛感する。
そして、二人はついにお互いの気持ちを告げ合う。宏一が栞に告げた言葉は、少し照れくさいけれど、確かな愛情を感じさせるものだった。栞は、その言葉を聞いて、幸せな気持ちとともに涙がこぼれそうになった。
「栞、君と一緒にいたい」
そう言った宏一の言葉に、栞は静かにうなずいた。そして二人は、ついに結ばれることとなった。
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