漫画「恋するリップ・ティント」をネタバレ解説
高校生活を始めたばかりの都本あこは、日々の忙しさに追われ、恋愛には無頓着な毎日を送っていた。勉強に部活にと、恋愛は二の次だった。しかし、そんなあこの目に飛び込んできたのは、親友である真菜の驚くべき変化だった。真菜は突然、異常なほど可愛くなり、誰もが彼女に注目するようになっていた。その変化の理由を聞いてみると、真菜は恥ずかしそうに「彼氏ができたから」と答える。その瞬間、あこは思う。自分も変わりたい、可愛くなりたい、恋愛だってしてみたい――と。
決心したあこは、真菜にアドバイスを求める。すると真菜は、「リップを塗りなさい!」と提案。リップを塗ることで少しでも変われるのではないかと思い、あこは早速トイレでリップを塗ることに。しかし、何も知らないまま塗ったそのリップが、思わぬトラブルを引き起こすことになる。
その日、あこは学校内を歩いている最中、ついに超イケメンの愛川遥巳先輩と衝突してしまう。遥巳はSNSでヘアカット動画が100万回再生されるほどの人気者で、女性たちの憧れの存在だった。だが、あこはリップが厚塗りすぎて、彼の体操服にキスマークをつけてしまう。最悪の状況に陥ったあこは必死に謝ろうとするが、遥巳先輩は冷たく、「その服いらないから捨てておいて」と言い放ち、彼女はさらに恥ずかしい思いをする。
それでもあこは負けずに、その後、遥巳に体操服をクリーニングに出す決心をする。しかし、遥巳の教室の前には、彼を待ちわびる女子たちが集まっており、近づくことさえできない。そこで、遥巳のクラスメイトである男子生徒が声をかけてくる。彼はあこが持っているクリーニングした体操服を見て、「遥巳の態度が悪くなったのは、お前みたいな女が原因だ」とあこを非難する。その言葉に、あこは何も言い返せず、涙を流しながら帰宅することになる。
次の日、目を腫らしたまま登校したあこは、親友の真菜にそのことを打ち明ける。真菜はあこを励まし、「何も悪くないよ!」と力強く言ってくれる。その言葉で元気を取り戻したあこは、もう一度遥巳の教室に向かうことを決意する。
クラスの注目を浴びながら、あこは遥巳の前に立ち、「私は下心なんかない。ただ、友達になりたいだけ!」と宣言する。その言葉に、教室が静まり返り、遥巳は一瞬、あこを見つめる。そして、あこが言うように、彼女の勇気に心を動かされたのか、遥巳の態度は少しずつ変化し始める。
物語は、あこと遥巳が少しずつお互いを理解し合い、友情と恋愛が交錯する中で展開していく。最初は冷たく見えた遥巳だが、あこの真摯な気持ちに心を開いていき、二人の距離が縮まっていく。そして、遥巳の過去の秘密や、彼が女性嫌いになった理由も明かされる。あこはその過去を受け入れ、遥巳に寄り添い、二人の関係は深まっていく。
最終的に、あこと遥巳はお互いに気持ちを伝え合い、恋愛関係に発展する。あこは遥巳と友達になりたかっただけだが、その純粋な思いが彼の心を動かした。そして、二人は新たな一歩を踏み出し、これからの未来に向かって進んでいく。
物語は、友情と恋愛、成長と絆がテーマとなり、あこが自分を大切にし、周囲との関係を築いていく過程を描いた、心温まる青春ラブストーリーとなる。
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