漫画「親友からの溺愛宣言 10年分、本気でいくから覚悟して」をネタバレ解説
「……ごめん。実は、他に好きな人ができたんだ」
その言葉を聞いた瞬間、瑞希の頭の中が真っ白になった。
目の前には、1年以上付き合った恋人が申し訳なさそうな顔をして座っている。瑞希の誕生日に呼び出されたから、きっと何かサプライズがあるんだと思っていた。でも、彼が差し出したのはプレゼントじゃなく、別れの言葉だった。
「彼女、妊娠してるんだ。だから、責任取らなきゃいけない」
何を言っているのか、一瞬理解が追いつかなかった。
瑞希は震える指先でグラスを握りしめ、必死に冷静を装おうとした。でも、心の中では怒りと悲しみが入り混じってぐちゃぐちゃだった。
――誕生日に、浮気報告と婚約宣言って、どれだけ最悪なサプライズなの?
思わず笑ってしまいそうになる自分を抑えながら、彼との関係を終わらせた。
***
「お前、ひどい顔してるな」
落ち込んでいた瑞希を見つけたのは、大学時代からの親友であり、職場の同期でもある総一朗だった。彼は昔から何かと気にかけてくれる存在で、恋愛相談にも乗ってくれていた。
バーのカウンターに並んで座り、瑞希は失恋の経緯を語った。
「……で、誕生日にフラれました、と」
「最低な男だな」
「ホントにね。でも、もういいの。別れたし」
「そうか」
短く答えた総一朗は、しばらくグラスの中の氷を回していた。そして、ふっと口元を緩めると、不意に瑞希を真っ直ぐに見つめて言った。
「じゃあ、俺と付き合うか?」
「…………は?」
瑞希は思わず聞き返した。酔っているのだろうか?それとも冗談?
でも、総一朗の表情は真剣そのものだった。
「10年待ったんだ。そろそろ、俺のことを男として見てくれないか?」
心臓が大きく跳ねる音がした。
「……な、何言って……?」
戸惑う瑞希に、総一朗は静かに微笑む。
「お前が誰と付き合おうが、どんな恋愛をしようが、ずっと見てた。いつか俺の番がくるって信じてた。でも、そろそろ待つのも限界なんだよ」
10年間、ずっと隣にいたはずの親友が、今はまるで別人のように見えた。
「俺、お前が泣くのはもう見たくない」
「今度は俺が、お前を笑わせる番だろ?」
総一朗の瞳はまっすぐで、嘘がない。
瑞希の心は、どうしようもなく揺さぶられた――。
***
突然の親友からの溺愛宣言!
瑞希は戸惑いながらも、総一朗の優しさや強引なアプローチに次第に惹かれていく。
果たして、10年間の片想いは報われるのか?
これは、じれったくも甘くて幸せな、「親友から恋人になるまで」のラブストーリー。
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