漫画「目の前の惨劇で前世を思い出したけど、あまりにも問題山積みでいっぱいいっぱいです」をネタバレ解説
冷たい夜風が吹く辺境の地。
ひとりの少女が、運命に翻弄されるままこの地へと送り込まれた。
元は平民だったが、ある日突然、公爵令嬢として迎え入れられたネオン・テ・トーラ。彼女の価値はただひとつ――政略結婚の駒として利用できること。貴族社会の思惑に巻き込まれ、彼女は南方辺境を統べるラスボラ・ヘテロ・モルファのもとへ嫁ぐことになった。
その結婚に愛はない。
結婚式を終えた夜、ラスボラは無表情のまま彼女に言い放つ。
「これは政略結婚だ。君を愛する気はないし、子供を作るつもりもない」
けれど、ネオンにとってそれはむしろ好都合だった。
「だったら、私も好きにさせてもらいます」
こうして始まった"仮面夫婦"の生活。夫婦関係も、社交も必要ない。
ネオンは辺境伯邸の離れ館で、自由気ままな"おひとり様ライフ"を満喫するはずだった。
だが、それも長くは続かなかった。
ある日、家令から「辺境伯夫人としての体裁を保つためにも、騎士団に顔を出してみては?」と提案される。社交が嫌いなネオンだったが、何もしないまま時間を浪費するのも退屈だ。せめて騎士たちの士気を上げようと、厨房で作らせた焼き菓子を手土産に、気楽な気持ちで辺境伯騎士団を訪れることにした。
だが、そこで彼女が目にしたのは、想像を絶する光景だった。
魔物の襲撃を受け、重傷を負った兵士たち。
傷の手当もされぬまま、痛みに呻く彼ら。
その瞬間、ネオンの頭の奥底に眠っていた記憶が呼び覚まされた。
――彼女は前世、看護師だった。
しかし、気づく。
「待って、この世界、前世と全然違う!」
医療知識はあっても、薬も設備もなく、前世の技術がそのまま使えるわけではない。
自分は無力なのかもしれない。
けれど、このまま何もしなければ、彼らは確実に死ぬ。
「……できることをするしかない!」
ネオンは覚悟を決めた。
今できる限りの手当てを施し、騎士たちを救う――それが、彼女の最初の決断だった。
それがきっかけとなり、ネオンは辺境騎士団十番隊の医療班隊長に就任。
さらに、医療施設が足りない現状を改善すべく、医療院の設立を決意する。
それだけではない。公爵夫人としての役割を果たすために、孤児院への支援事業にも乗り出した。
こうして、ネオンの激務生活が始まる――!
だが、その最中、辺境伯領の中心都市リ・アクアウムでは、一年に一度の大祭**「女神の花祭り」**が近づいていた。
「この機会を逃す手はない!」
ネオンは祭りのバザーを利用して、孤児院の資金調達をしようと計画する。
一方で、医療院のスタッフを確保するために医者たちとの面会もこなし、
傷病兵の治療に奔走しながら、騎士団の支援も怠らない。
結婚すれば自由になれると思ったはずが、なぜか超絶ブラックな激務生活を送る羽目に!?
それでも、彼女は立ち止まらない。
誰かの命を救えるのなら、それが自分の生きる道だから。
そんなネオンの奮闘を、
仮面夫婦の夫・ラスボラは静かに見守っていた。
冷たく距離を取っていたはずの彼の視線が、少しずつ変化していくことに、
ネオンはまだ気づいていなかった――。
医療×政略結婚×辺境騎士団!
自由を求めたはずが、気づけば忙しすぎる日々!?
でも、「誰かを救えるなら、それでいい」
これは、強く生きるヒロインが紡ぐ、命と誇りの物語――。
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