漫画「引きこもり令嬢は皇妃になんてなりたくない!~強面皇帝の溺愛が駄々漏れで困ります Berry’sFantasy」
エレスティア・フォン・ルーベルトは、魔法師の名家に生まれながらも、家族の中で唯一まともに魔法を使えなかった。
幼い頃から「落ちこぼれ」と揶揄され、冷たい視線を浴びる日々。社交界に出ても、貴族の娘としての華やかさを求められるばかりで、エレスティアの居場所などどこにもなかった。
だから彼女は、書物の世界に逃げ込んだ。静かな図書室で、誰にも邪魔されず、本の中の物語に心を委ねる時間――それこそが、彼女の唯一の幸せだった。
しかし、そんな平穏な日々は、ある日突然、無情にも終わりを告げた。
「皇帝陛下が、第一側室にお前を望んでおられる」
信じられない言葉だった。
皇帝ジルヴェスト・エル・グラディウス。彼は冷酷非情な支配者として知られ、戦場では血を浴びることを厭わないと噂される男。そんな人物が、なぜ社交界にも顔を出さない自分を選んだのか――?
拒否したかった。全力で断りたかった。
しかし、皇帝の命令に逆らえるはずもなく、エレスティアはあれよあれよという間に宮廷へと連れて行かれた。
そして迎えた初夜。
「どうか、無事に朝が来ますように…」
そう祈りながら、エレスティアはひたすら耐える覚悟を決めていた。
皇帝にとって、側室など単なる義務でしかないのだろう。冷たい瞳をした彼が、自分に優しさなど向けるはずがない。ただ、黙って時が過ぎるのを待つしかないのだ、と。
――しかし、その夜、彼女はある"異変"に気づく。
「……ああ! 濡れる瞳も愛らしい!」
……え?
「上目遣いが愛らしすぎる!! 尊すぎて死ぬ!!!!」
……は?????
部屋に響くのは、皇帝の声ではない。いや、確かに彼の声なのだが、彼の口元はぴくりとも動いていない。
つまりこれは―― 心の声。
「え、陛下……?」
恐る恐る見上げると、ジルヴェストは相変わらず冷静な表情のまま、淡々と彼女を見つめている。しかし、聞こえてくる心の声はまるで別人。
「待て、これは現実か? 夢じゃないか? いや、こんなに愛らしい生き物が存在していいのか!? これは神の奇跡か!??」
何を言っているの、この人――!!???
冷酷な皇帝として恐れられていた男は、どうやら 彼女に対してだけはメロメロ らしい。しかも その事実に本人が気づいていない 。
一方のエレスティアは、最初こそ戸惑ったものの、次第に彼の不器用な愛情に気づき始める。冷たいふりをしながらも、無意識に彼女を気遣う仕草。側室でありながら、誰よりも彼女を優先する態度。そして、何より…… 甘すぎる心の声 。
(「これはもう……完全に溺愛されてるでは?」)
最初は「皇妃になんてなりたくない!」と叫んでいたエレスティアだったが、次第に 彼の愛にほだされていく自分を止められなくなっていく。
果たして、エレスティアは 「冷酷な皇帝」の本当の姿を受け入れることができるのか?
そして、ジルヴェストは いつになったら自分の溺愛がダダ漏れだと気づくのか!?
そんな二人の関係が、やがて宮廷をも巻き込む波乱の恋へと発展していく――!
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